ツキノワグマ　雌（リン）、雄とけんかで死亡　ファミリーパーク　／富山

雄とのケンカが原因で死んだツキノワグマのリン＝富山市ファミリーパーク提供

富山市の動物園「市ファミリーパーク」は一日、飼育していたツキノワグマの雌リン（推定十三歳、写真）が死んだと発表した。繁殖のため、飼育中の別の雄グマと同じ部屋に移したとたん、襲われてけがを負い、その傷が致命傷となった。動物同士の「けんか」で飼育中の動物が死ぬのは園では初めて。

園では雌雄二頭のツキノワグマを飼育。先月三十日、リンとは別の部屋にいた雄のマー（推定十二歳）を同じ部屋に収容した。しかし、その直後から、マーがリンの足にのしかかるなど闘争となり、別々の部屋に移動させた。

しかし、リンは後ろ足に外傷を負い、止血剤や鎮痛剤を投与して治療したが、内出血がひどくて患部も壊死（えし）。一日朝に衰弱死した。二〇〇四年に群馬県で保護され、園に引き取られて以来、来園者に人気だった。

クマの発情期は夏ごろにピークを迎え、秋まで繁殖可能な時期が続く。園は二頭を柵越しに飼育。お互いにおいをかいだりしていたため、相性が良いと判断し繁殖を進めた。園動物課の小峠拓也課長代理は「致命傷になる前に、闘争する二頭をもっと早く引き離して治療を始めていれば、生きられたかもしれない。非常に残念」と話した。

飼育中のクマについて、日本ツキノワグマ研究所（広島県廿日市市）の米田一彦理事長は「雄グマが雌グマを襲って死なせることは飼育下ではまれにある」と話す。動物園の展示環境に触れて「野生では雌グマは逃げられるが、柵に囲まれた環境では交尾を拒むことができず、反撃してやられてしまったのでは」と分析した。　（向川原悠吾）

配信2017年11月2日
中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2017110202100010.html

平成29年11月1日、ツキノワグマのリンが永眠しました。
今まで多くのみなさまに可愛がっていただき、ありがとうございました。
http://www.toyama-familypark.jp/event/entry-003557.html